美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説93

第39回美容師国家試験より引用。

化学結合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

① ヘアマニキュア中の酸性染料は、イオン結合を利用して毛髪内に留まっている。

 →⚪︎ 酸性染料は、酸化染毛剤のように化学反応を伴わないことから化粧品に分類され、毛髪内に染料が入り込み、イオン結合を形成し、毛髪内に留まります。

 

② 毛髪の構造中にみられるシスチン結合(ーSーSー)は、共有結合である。

 →⚪︎ シスチン結合は2つの硫黄(S)原子間で不対電子を共有しあって安定しているため、共有結合の一種といえます。

 

③ 頭髪の寝癖は、水素結合の切断と再結合によって生じるものである。

 →⚪︎寝癖は毛髪内で形成されている化学結合の中で最も弱い水素結合の一時的な切断と再形成によって生じます。水に濡らすことで改めて切断できるので、一般に寝癖は水でなおせます。

 

化学結合の強さを比較すると、水素結合>共有結合>イオン結合の順である。

 →×(正解)水素結合はごく弱い化学結合であり、共有結合は強い化学結合ですので、「共有結合>イオン結合>水素結合」が正しい順序です。 

 

第49回美容師国家試験

去る3月3日日曜日、ひな祭りに合わせるように第49回美容師国家試験が行われました。

香粧品についてコメントしますと、

問題36

界面活性剤がかつてのように「陽イオン」な表記のみになり、「カチオン」の表記は消えました。正解は④です。第4級アンモニウム塩について正しく述べてあります。

問題37

天然成分や有機成分は無機成分に比べ経時変化が起こりやすいことが分かれば容易だったかと思われます。正解は④です。

問題38

例年通りの形式になっている空所補充問題。パラベンが防腐剤てあること、酸化は酸素によって起こることを把握していれば解答できます。正解は②です。

問題39

ここ最近よく出題されているスタイリング剤に関する問題てす。DMEやLPGといえば噴射剤ですね。正解は①です。

問題40

ほぼ毎年恒例となっているパーマ剤についての出題です。1剤が酸化剤で、チオグリコール酸がその代表例であることが分かればいけます。正解は③です。

 

癖のない良問ぞろいかと思われます。できれば5題とも正解したいところです。

美容師国家試験解説92

第39回美容師国家試験より引用

 

次の化学物質のうち、酸化染毛剤第2剤の有効成分はどれか。

 

① 過酸化水素

→〇(正解)過酸化水素水は3~5%程度に希釈されたものをオキシドールとして利用しますが、5%程度に希釈されたものはパーマ剤や酸化染毛剤の第2剤として利用されています。いずれの場合も過酸化水素水は酸化剤として用いられ、パーマ剤においてはシスチン結合の再形成、染毛剤においてはメラニン色素の分解を目的としています。

 

② レゾルシン

→× レゾルシンは酸化染毛剤に配合されていますが、第1剤の方に含まれています。色調の調節を行う調色剤(カップラー)として作用します。

 

③ パラフェニレンジアミン

→× パラフェニレンジアミンも酸化染毛剤に配合されていますが、これもまた第1剤の方です。染料中間体に分類され、第2剤中の酸化剤の作用によって発色します。また、アレルギーの原因になりやすい物質であるため、使用の48時間前にパッチテストを実施する必要があります。

 

④ ニトロパラフェニレンジアミン

→× はじめから有色である染料であることから直接染料に分類されます。そのため、酸化剤の添加は不要です。

美容師国家試験解説91

第39回美容師国家試験より引用

 

次の有機酸のうち、パーマネントウェーブ用剤第1剤の有効成分である還元剤はどれか。

① 酢酸

→×

酢酸を4%程度に希釈されたものが食酢です。もちろん還元剤ではありません。

 

クエン酸

→×

香粧品の話の中でクエン酸は確かにちょいちょい出てきますが、クエン酸は収れん剤または酸化防止剤(キレート剤)として使われており、これもまた還元剤には当たりません。

 

③ チオグリコール酸

→◯(正解)

チオグリコール酸はパーマ剤第1剤の代表例に当たり、アルカリ剤と混合したうえで毛髪内にはたらく強い化学結合であるシスチン結合を切断します。

 

④ グリコール酸

→×

グリコール酸は、皮膚のターンオーバー、いわゆる代謝を促進する成分であり、パーマ剤には関与しません。

 

 

美容師国家試験解説90

第39回美容師国家試験より引用

 

香粧品に使われる成分とその効果に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

① ビタミンC誘導体 - 美白効果

→〇 ビタミンについては、香粧品においては美白効果にも酸化防止にも有効なビタミンC(飲料に添加されるビタミンCはだいたいコレ)やトコフェロールとも呼ばれ、酸化防止効果を示すビタミンEが出題されています。

 

② ベンゾフェノン誘導体 - 紫外線防止効果

→× ベンゾフェノン誘導体、メトキシケイ皮酸、パラアミノ安息香酸などは紫外線が皮膚を透過してしまわないよう、これを防止します。

 

③ アラントイン - エモリエント効果

→×(正解)アラントインは消炎剤として有効です。消炎剤としては香粧品では、収れん作用も併せ持つ白色顔料の酸化亜鉛も押さえておくとよいでしょう。エモリエント効果は、皮膚に含まれる水分を維持する性質ですので、ざっくり言えば「保湿」です。

 

④ セラミド - 保湿効果

→〇 セラミドグリセリンヒアルロン酸、ワセリンなどと同様、香粧品によく用いられる保湿剤です。

 

 

美容師国家試験解説89

第39回美容師国家試験より引用

 

色剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

① タルクは、有機化合物である。

→× タルクは体質顔料に分類され、この体質顔料は白色顔料や着色顔料と同じ無機顔料に分類されます。従って有機化合物ではなく、無機化合物になります。

 

② 雲母チタンは、光輝性顔料である。

→〇(正解)光の屈折により、塗布した箇所に光沢を与えるのがこの光輝性顔料であり、主成分は雲母チタンです。白色顔料の酸化チタンとの混同に要注意です。

 

③ 酸化鉄は、体質顔料である。

→× 酸化鉄はベンガラに代表される赤色の着色顔料です。

 

④ すべてのタール色素は、国内で香粧品に使用できる。

→× タール色素は有機物であることから有機合成色素と呼ばれますが、国から認可された一部のものしか配合できないことから、法定色素とも呼ばれています。

 

 

 

美容師国家試験解説88

第39回美容師国家試験より引用

 

界面活性剤及び界面活性剤を含有する香粧品に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a バニシングクリームは、O/W型のクリームである。

b 石けんは、グリセリンを酸でけん化するとできる。

c 陰イオン(アニオン)界面活性剤を水に溶かすと、親水性部分は静電気を帯びる。

d 第4級アンモニウム塩は、毛髪のキューティクルに吸着して被膜を形成する。

 

① aとb→× 

バニシングクリームは塗布するとスッと消えていく(vanishi)使用感からそのように呼ばれるのですが、それは気化する水分が多く、気化しない油分がごく少ない水中油型(O/W型)の弱油性クリームであるがゆえのことです。そのため、aは正しい文ということになります。また、石けんは油脂を酸ではなくアルカリで分解して得ることができ、この反応をけん化と呼びます。このとき、石けんと同時にグリセリンが出てくることから、グリセリンから石けんを得るというような内容のこの文はやはり正しくありません。

② bとc→×

bが誤文であることは①で説明済みですが、石けんを得るときに用いるアルカリが水酸化ナトリウムであれば硬質石けん、水酸化カリウムであれば軟質石けんであることも知っておいて損は無いでしょう。そして、cの文ですが、界面活性剤の分類は親水性部分の水溶液中での電荷を根拠に分類しています。従って、「陰イオン」ということは、親水性部分が「-(マイナス)(=負)の電荷をもつ」ということになりますので、「正電気」は帯びておりません。

③ cとd→×

cは②より誤文です。dについてですが、第4級アンモニウム塩といえば、帯電防止効果(平たく言えば静電気防止)代表的な陽イオン(カチオン)界面活性剤であり、リンス剤に含まれて毛髪のキューティクルに吸着することから正しい内容ということになります。なお、陽イオン界面活性剤には他にも、ベンザルコニウム塩化物のように殺菌作用を示すタイプもありますので、これもまた合わせて覚えておきましょう。

④ aとd→〇(正解)

①~③よりaとdが正文、bとcが誤文ということになります。従って、この④が正解になります。

美容師国家試験解説87

第38回美容師国家試験より引用。

 

酸化剤と還元剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

過酸化水素水は、ヘアブリーチ剤や染毛剤などに酸化剤として用いられている。

b チオグリコール酸は、パーマ剤の第1剤に配合され、毛髪のケラチンのシスチン結合を還元して切断する。

システインは、パーマ剤の第2剤に配合され、毛髪の切断されたシスチン結合を再結合する。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、還元作用があるので、金属製品や動物性繊維の布地の消毒に適している。

 

① aとb→○(正解) 大学入試では過酸化水素と言えば、酸化剤にも還元剤にもなる曲者ですが、香粧品においては、過酸化水素は酸化剤一択で、メラニン色素を分解し、脱色や染毛を行ったり、切断されたシスチン結合を再度結びつけるパーマ剤の2剤となったりします。また、パーマ剤の1剤として有髪のシスチン結合を切断するのがチオグリコール酸です。そのため、a,bとも正しいということになります。

② bとc→✕ ①の説明よりbは正文です。システインアミノ酸の一種ということもあり、良くも悪くも作用がそれほど強くない還元剤であり、パーマ剤の1剤として毛髪内のシスチン結合を切断します。そのため、cは誤文になります。

③ cとd→✕ cは誤文です。次亜塩素酸は酸としては決して強くありませんが、酸化作用が強く、金属製品の錆の原因にもなります。

④ aとd→✕ これまでの説明より、aが正文でdが誤文となります。

美容師国家試験解説86

第38回美容師国家試験より引用

 

有機溶媒に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 有機溶媒は、水に溶けない油分や樹脂などを溶かす溶媒として用いられる。

b ネイルエナメルリムーバー中の有機溶媒は、爪の部分を保護する。

c 有機溶媒は、顔料を溶解する。

d エタノールは、香粧品に用いられる有機溶媒の一つである。

 

① aとb →× 水に対して溶けにくい油性原料に有効な溶媒が有機溶媒であることからaは正しいです。一方で、カラーエナメルやそのネイルエナメルリムーバーを連続して使用すると、爪に含まれる水分や油分までもが除去されて脆くなることから、「爪の部分を保護する」という表現は不適切なものとなり、bは誤文です。なお、ネイルエナメルリムーバーにより爪のつやが失われつつある場合、ネイルクリーム(ネイルトリートメント)を週2~3回程度使用し、水分と油分の補給をする必要があります。

 

② bとc →× bについては①にて説明済みですのでcについて検討してみると、「顔料が有機溶媒に溶ける」という主旨の内容であり、顔料は無機溶媒(=水)にも有機溶媒にも不溶性であることから、cもまた誤文ということになります。

 

③ cとd →× ②の説明より、cは誤文と確定しています。dについてですが、エタノール自身は水と任意に混ざって溶ける性質がある一方で、香粧品で幅広く使用されている有機溶媒ですから、このdは正しいということになります。

 

④ aとd →〇(正解) ①~③の解説にて、bとcが誤りであり、aとdが正しい内容ですので、この④を選んだ人が勝ちです。

 

 

美容師国家試験解説85

第38回美容師国家試験より引用

 

育毛剤医薬品医療機器等法(旧薬事法)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

①  ふけやかゆみの抑制を効能の範囲とする育毛剤は、化粧品に分類されます。

→◯ 強い化学反応を伴うような成分が配合されておらず、これらは化粧品に分類されます。

 

② 脱毛予防・発毛促進などの育毛・養毛効果を効果の範囲とするものは、医薬部外品に分類される。

→◯ 脱毛や発毛などは「現状維持」の範囲を超えた改善効果であることから、化粧品ではなく医薬部外品になります。

 

③ フィナステリドを含む育毛剤は、医薬部外品に分類される。

→✕(正解) 育毛剤に、抗男性ホルモンとして配合されるフィナステリドは香粧品の範囲では珍しく、医薬品に分類されます。

 

ミノキシジルを含む育毛剤は、医薬品に分類される。

→○ ミノキシジルは、頭皮の血行を促進する効果をもつ成分であり、これを含む育毛剤も③同様に医薬品に分類されます。医薬品といえば、「ミノキシジルとフィナステリド」と覚えておけば良いかと思われます。

 

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美容師国家試験解説84

第38回美容師国家試験より引用

 

ヘアカラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

① 脱色剤は、毛髪に含まれるメラニンを酸化して分解する。

→◯ ブリーチ剤とも呼ばれるこの脱色剤は、5%程度に薄められた過酸化水素のもつ酸化作用により、毛髪を黒くするメラニンが分解されます。

 

② 酸化染毛剤により染毛しても、1回のシャンプーで色落ちする。

→×(正解)酸化染毛剤は、化学反応を伴うことからHC染毛料などよりも染毛効果が大きく、医薬部外品に指定されております。一度染毛を行うと、シャンプーでは色落ちしません。なお、ここに含まれるパラフェニレンジアミンはアレルゲンになることもあるため、パッチテストの対象になっています。

 

③ 染料中間体をカップラーとともに用いると、様々な色調に染毛できる。

→◯ パラフェニレンジアミンなど染料中間体は、酸化されて初めて発色し、ここにレゾルシンなどのカップラーを加えることで、色調に変化を与えます。

 

④ 一時染毛料は、法定色素などを毛髪の表面に付着させて着色する。

→◯ 一時染毛料は、HC染毛料のように色剤を毛髪内に浸透させることもなく、表面に付着させるだけであるため、1回のシャンプーて色落ちします。

 

 

 

 

 

 

 

美容師国家試験解説83

第38回美容師国家試験より引用

 

ヘアスタイリング剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

① ヘアリキッドはメタノール水溶液にスタイリング成分を溶解したスタイリング剤である。

→✕ もう、途中で文を読むのをやめても良いかもしれません。メタノールは例外無く配合不可でした。メタノールは毒性が強いアルコールです。

 

② エアゾールタイプのヘアスタイリング剤に噴射剤として配合されるのはフロンガスである。

→✕ 噴射剤はジメチルエーテル(DME)や液化石油ガス(LPG)です。フロンガス温室効果ガスでもあり、紫外線(特に短波長で極めて有害なUVC)を吸収するオゾン層を壊してしまう、環境に悪いガスですので、現在は使用不可です。

 

③ ヘアスタイリング剤に配合されるアクリル樹脂アルカノールアミン液は、防腐・殺菌剤である。

→✕ アクリル樹脂アルカノールアミン(『アクリル樹脂』の部分のみ覚えるのでも良いです)はポリビニルピロリドンなどとともに被膜形成剤です。

 

④ ヘアスタイリング剤のセット力の違いは、被膜形成剤の配合量による。

→○(正解)  スタイリング剤を付けるとその部分が固まってきますよね。あれが被膜です。被膜の形成により、その部分がセットした形でキープされます。従って被膜形成剤が多いほどセット力は強くなります。

 

#美容師国家試験 #過去問 #香粧品 #スタイリング剤

美容師国家試験解説82

第38回美容師国家試験より引用

 

化粧液に配合される成分と効果に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。

パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)ーエモリエント効果

→✕ エモリエント効果は皮膚の表面の皮脂膜などによる、水分の蒸発を防ぐことによる保湿効果ですが、このパラベンはそもそも防腐剤です。名前が長いので「パラオキシとくれば防腐!」で良いかと思われます。

 

ヒアルロン酸ナトリウム ー 保湿効果

→○(正解) 多くの化粧水に含まれているヒアルロン酸塩は、代表的な保湿剤であり、皮膚内部の水分をキープするモイスチャー効果を示します。

 

パラアミノ安息香酸エステル ー 美白効果

→✕ 「パラアミノ」とくれば、紫外線吸収です。日焼けを防止しますが、それ自体が美白効果をもたらすわけではありません。美白効果はビタミンC(アスコルビン酸)、プラセンタエキス、ソウハクヒエキスなどを押さえておきましょう。また、美白用化粧品は医薬部外品に分類されます。

 

クエン酸 ー 紫外線防止効果

→✕ クエン酸は皮膚を引き締める収れん剤および、金属の酸化を防ぐキレート剤(金属イオン封鎖剤)として重要な働きを示しますが、紫外線を吸収したり、散乱したりという作用はありません。

 

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美容師国家試験解説81

第38回美容師国家試験より引用

 

次の化合物のうち、天然高分子化合物はどれか。

① ポリビニルアルコール

 ⇨× 物質名のどこかしらに「ポリ」の文字があれば合成高分子化合物に分類されます。なお、このポリビニルアルコールはピールオフパックをはじめとした皮膜形成剤として用いられています。

 

② カルボキシビニルポリマー

 ⇨× ①同様の理由で合成高分子化合物に分類されます。このカルボキシビニルポリマーはカルボキシメチルセルロースとともにシャンプーやトリートメントの増粘剤として使用されます。

 

③ エラスチン

 ⇨◯(正解) 動物性のタンパク質ですので天然高分子化合物に該当します。保湿効果を持っています。

 

④ カルボキシメチルセルロース

 ⇨× ②で述べたように増粘剤として有効なこの成分は、天然高分子化合物であるセルロースを加工した半合成高分子化合物になります。

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美容師国家試験解説80

第38回美容師国家試験より引用

 

界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

 

a  ヘアクリームは、界面活性剤の乳化作用によりエマルションを形成している。

b  両性界面活性剤は、水溶液中でイオンに解離しない。

c  界面活性剤は、臨界ミセル濃度(CMC)以上になると可溶化能が減少する。

d  界面活性剤は、リキッドファンデーションの油性基剤中で粉体(固体)の顔料を分散して安定化させている。

 

① aとb   ② bとc   ③ cとd   ④ aとd

 

aは正しいです。なお、原文では「エマルジョン」ですが、新課程に合わせて「エマルション」と表記を改めました。界面活性剤による乳化作用によって白濁した水と油の混合液、エマルジョンが形成されます。

bは誤文です。イオンに解離しない、つまり電離しないのは非イオン(ノニオン)界面活性剤です。なお、両性界面活性剤はベビーシャンプー、非イオン界面活性剤はクリームなどに使用されます。

cも誤文です。界面活性剤による可溶化能は臨界ミセル濃度を超えて初めて発揮されるとイメージして下さいませ。

dは正しいです。界面活性剤の作用の1つである分散作用について述べられた文です。

 

以上より正解は④です。