美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説23

第29回より引用

次の化合物のうち、高分子化合物に該当しないものはどれか。

① ケラチン

→〇 ケラチンは美容の化学では「動物性タンパク質」の代表例として扱われております。タンパク質はアミノ酸をモノマー(単量体)としたポリマー(重合体)であり、その分子量は10000を超えているため、高分子化合物に相当します。なお、タンパク質は一般に生物(動物や植物など)由来の物質であるため「天然」の化合物になります。

 

ブドウ糖

→×(正解) ブドウ糖グルコース)は分子量180の単糖類です。分子量が10000に達していないため、これは低分子化合物の扱いになります。つまり、高分子化合物であるためには少なくとも10000以上の分子量を維持することが求められますが、美容師国家試験のための勉強としてはここの物質の分子量計算をする必要はなく、「高分子化合物=デンプン(ブドウ糖の重合体)、タンパク質、樹脂」くらいの覚え方で十分に対応できます。そもそも原子量が与えられていないため、分子量の算出は不可能です。

 

③ デンプン

→〇 ブドウ糖をモノマー(単量体)としたポリマー(重合体)であり、やはり分子量は10000以上になるため高分子化合物になります。また、デンプンは植物体内に存在することから「天然高分子化合物」に分類されます。

 

④ コラーゲン

→〇 動物体内の細胞間に存在するタンパク質です。タンパク質であることから分子量は10000以上を維持しており、動物体内に存在していることから「天然高分子化合物」に分類されます。

 

なお、高分子化合物とは一般にごく小さい低分子化合物が多数集まり、互いに結合して大きくなった分子です。高分子化合物に達したものをポリマー(重合体)、それを構成する個々の低分子化合物をモノマー(単量体)とよびます。

 

#美容師国家試験#過去問#香粧品化学#高分子化合物#モノマー#ポリマー#アミノ酸#ブドウ糖#29回#武漢ウイルスに負けるな