美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説25

第29回より引用

香粧品に用いられる色材に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 酸化チタンは、白色顔料で、収れん・消炎作用もある。
→×(正解) 酸化チタンと酸化亜鉛は代表的な白色顔料です。酸化チタンは抜群の被覆力や隠ぺい力を持ちますが、収れん・消炎作用は示しません。一方で酸化亜鉛は被覆力や隠ぺい力こそ酸化チタンに劣りますが、収れん・消炎作用も示すため、皮膚の消炎剤に配合されることもあります。

② 酸化鉄は、光や熱の影響を受けにくい着色顔料である。
→◯ 酸化鉄、カーボンブラックなどは出題頻度の高い着色顔料です。タルくやカオリンなどの体質顔料、酸化チタンや酸化亜鉛などの白色顔料などと合わせて無機顔料に分類され、一般に熱や光に対しても安定感があります。

③ 雲母チタンの持つパールのような光沢は、雲母と二酸化チタンの屈折率の違いから生じる。
→◯ 雲母チタンは無機顔料とは別枠の光輝性顔料に分類され、光の屈折率の違いを利用し、塗布した部分に光沢を与えます。

コチニールは、エンジ虫から得られる青赤色の天然色素である。
→◯ エンジ虫から得られるコチニール、植物から得られるクロロフィルやカロテンなどは代表的な天然色素ですが、総じて天然色素は熱や光によって劣化しやすいという欠点があります。