美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説67

第36回美容師国家試験より引用

 

界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

① 石けんは陽イオン界面活性剤である。

→× 石けんの本体は高級脂肪酸のなすカルボン酸イオンであり、これが(ー)イオンであるため、陰イオン界面活性剤に相当します。石けんに限らず、陰イオン界面活性剤は一般に洗浄効果を持ちます。

 

② 石けんは油脂を加水分解してつくる。

→〇(正解) 油脂を加水分解すると、グリセリン脂肪酸が生じます。この脂肪酸塩が石けんなのですが、加水分解水酸化ナトリウムを用いると硬質石けんとなり、水酸化カリウムを用いると軟質石けんとなります。

 

③ 陽イオン界面活性を水に溶かすと、親水基は負電荷を帯びる。

→× 陽イオン界面活性剤は本体が(+)イオンになるため、陽イオン界面活性剤に相当します。陽イオン界面活性剤は一般に、帯電防止効果または殺菌効果をもちます。

 

④ 界面活性剤は乳液に使用されることはない。

→× 界面活性剤の役割のひとつに油と水をなじみやすくするというものがあります。油性原料が水に溶けてくると乳化します。そのうち、O/W型(一部W/O型もありますが)のものが乳液になります。また、乳液やクリームには非イオン型界面活性剤が用いられます。