美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説68

第36回美容師国家試験より引用。

 

香粧品に用いられる色材に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

① ベンガラは酸化鉄顔料である。

→〇 三酸化二鉄FeOを主成分とした古くから香粧品に用いられている赤色の着色顔料です。この三酸化二鉄は鉄鉱石の主成分であり、これを一酸化炭素COにより還元して鉄Feの単体を得ることができます。

 

② タール色素は法定色素ともいわれる。

→〇 青色〇号とか赤色〇号だのと表記されているものがこれに該当します。タール色素は有機合成色素とも呼ばれますが、いずれにせよ厚労省が指定した成分に限り香粧品への配合が可能になっております。

 

③ 雲母チタンは光輝性顔料である。

→〇 以前にも触れたことがあるかと思われますが、チタンがらみの成分は三つ。一つは最強の白色顔料である酸化チタン、もう一つがこの光輝性顔料である雲母チタンです。そして最後に紫外線散乱剤の微粒子酸化チタンです。

 

④ β-カロチンは有機合成色素である。

→×(正解) β-カロチンはニンジンの中に含まれる橙色の色素です。動物や植物の体内から抽出される色素や高分子化合物はすべて天然色素および天然高分子化合物に分類されます。天然色素としてはβカロチンの他にもエンジムシから抽出されるコチニール色素(青赤色)も合わせて押さえておきましょう。