美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説69

第36回美容師国家試験より引用。

 

頭皮・毛髪用香粧品とその配合成分に関する次の記述の組合せのうち、誤っているものはどれか。

 

① ヘアリンス剤 ー 陽イオン界面活性剤

→〇 陽イオン(カチオン)界面活性剤といえば、ベンザルコニウム塩化物のような殺菌剤および第四級アンモニウム塩のような帯電防止剤が代表例となり、ヘアリンス剤としては後者が特によく使用されています。

 

② ヘアブリーチ剤 - アセチルシステイン

→×(正解) 結局のところ「システイン」ですので、パーマ剤の第1剤である還元剤として使用されています。なお、ヘアブリーチ剤は現指導要領においては脱色剤と表現されることが一般的で、過酸化水素水を含み、メラニン色素を酸化分解します。

 

③ 育毛剤 ー 抗男性ホルモン剤

→〇 頭部の脱毛の要因の一つに、男性ホルモンが強く作用しすぎる点がありますが、フィナステリドのような抗男性ホルモンを用いることにより、脱毛の回避が期待されています。なお、フィナステリドは香粧品の配合成分の中では珍しく医薬品に分類されます。

 

④ 酸化染毛剤 ー パラフェニレンジアミン

→〇 酸化剤の作用により発色する染料中間体の代表例ともいえるこのパラフェニレンジアミンは、アレルギー症状を引き起こす場合もあるため、パッチテストの対象成分になっていることも合わせて押さえておきましょう。