美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説98

ただいま宮崎はプロ野球キャンプの見物人でごった返しておりますが、久しぶりに更新させて頂きます。

第40回美容師国家試験より引用

 

界面活性剤に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せのうち、正しいものはどれか。

 

「界面活性剤の作用の一つに洗浄作用がある。この作用を示すものに石けんがあるが、これは(  A  )界面活性剤である。また、油性原料を溶解した油相 と水溶性原料を溶解した水相とを混合し、エマルジョンを形成させる作用を(  B  )といい、非イオン(ノニオン)界面活性剤がよく用いられる。その他、ヘアリンス剤に用いられ、毛髪に対して帯電防止効果がある界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの(  C  )アンモニウム塩が挙げられる。」

 

① A:陽イオン(カチオン) B:乳化 C:第一級

→×  まず、石けんやシャンプーのように、洗浄効果を示す界面活性剤は陰イオン(アニオン)界面活性剤です。液性(酸性とかアルカリ性とか)によって電荷が変化する両性界面活性剤もベビーシャンプーなどに用いられ、一定の洗浄効果を示しますが、選択肢にそれが無いため検討不要です。次に、帯電防止効果を示す界面活性剤といえば陽イオン(カチオン)ですが、一般に第四級アンモニウム塩が用いられています。

 

② A:陽イオン(カチオン) B:可溶化 C:第四級

→×  エマルジョンといえば水と油の分離が白濁を伴って解消された状態であり、このようになる変化を乳化とよびます。

 

③ A:陰イオン(アニオン) B;乳化  C:第四級

→◯(正解) ①および②の解説を踏まえるとこれが正しいことになります。

 

④ A:陰イオン(アニオン) B:可溶化 C:第一級

→×  もともと界面活性剤は水に溶けない油分を水に溶けて馴染ませる作用を持っており、これが可溶化と呼ばれています。