美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説38

第31回美容師国家試験再試験より引用。

頭皮・毛髪用香粧品に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

① シャンプー剤には、陰イオン界面活性剤や両性界面活性剤が洗浄成分として用いられている。
→ ○ 洗浄といえば親水基が陰イオンになる陰イオン界面活性剤や、低刺激でもある両性界面活性剤が用いられます。

② ヘアリンス剤に用いられる第四級アンモニウム塩には、帯電防止効果がある。
→○ 第四級アンモニウム塩のような陽イオン界面活性剤には、静電気の発生を回避する帯電防止効果があります。

③ スタイリング剤に用いられるポリビニルピロリドンは、皮膜形成剤である。
→○ スタイリング剤の皮膜形成剤はポリビニルピロリドン、パック剤の皮膜形成剤はポリビニルアルコール、カラーエナメルの皮膜形成剤はニトロセルロースです。
この三者のうち、ニトロセルロースは半合成高分子に、残り二者は合成高分子に分類されます。

④ ヘアブリーチ剤は、毛髪に還元剤を作用させ、色素のメラニンを分解して脱色する。
→✕ メラニンの分解には過酸化水素水が用いられます。過酸化水素は酸化剤にも還元剤にもなりますが、香粧品の分野においては必ず酸化剤として作用します。

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