美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

美容師国家試験解説83

第38回美容師国家試験より引用 ヘアスタイリング剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① ヘアリキッドはメタノール水溶液にスタイリング成分を溶解したスタイリング剤である。 →✕ もう、途中で文を読むのをやめても良いかもしれません。メタノー…

美容師国家試験解説82

第38回美容師国家試験より引用 化粧液に配合される成分と効果に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。 ① パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)ーエモリエント効果 →✕ エモリエント効果は皮膚の表面の皮脂膜などによる、水分の蒸発を防ぐことによる…

美容師国家試験解説81

第38回美容師国家試験より引用 次の化合物のうち、天然高分子化合物はどれか。 ① ポリビニルアルコール ⇨× 物質名のどこかしらに「ポリ」の文字があれば合成高分子化合物に分類されます。なお、このポリビニルアルコールはピールオフパックをはじめとした皮…

美容師国家試験解説80

第38回美容師国家試験より引用 界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 a ヘアクリームは、界面活性剤の乳化作用によりエマルションを形成している。 b 両性界面活性剤は、水溶液中でイオンに解離しない。 c 界面活性剤は、臨…

指導要領改訂

高校の理科、特に生物はとんでもなくぐちゃぐちゃに改悪されてしまったりで現場は大混乱ですが、美容の化学「香粧品」でも改訂がありました。これまでも改訂はなされてきておりますが、こちらもまた従来よりは変更点が多い、というのが今月から美容科1年生…

美容師国家試験解説79

第37回美容師国家試験より引用。 油脂に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 a 油脂は、脂肪酸とグリセリンのエステルである。 →◯ エステルというのは結合の仕方を表現したものです。そして、脂肪酸とグリセリンからなるエステルを油脂、脂…

美容師国家試験解説78

第37回美容師国家試験より引用。 酸と塩基に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 赤色リトマス紙は塩基性溶液では変色しない。 →× 塩基(アルカリ)性溶液は赤色リトマス紙を青色に変色させることができます。なお、酸性溶液は青色リトマス紙を赤…

美容師国家試験解説77

第37回美容師国家試験より引用。 酸化染毛剤の成分とその性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 過酸化水素水は染料中間体を酸化する。 →〇 第1剤に含まれる無色の染料中間体(これこそがあのパラフェニレンジアミン)を酸化して発色する…

美容師国家試験解説76

第37回美容師国家試験より引用。 次の有機酸のうち、パーマ剤第1剤の有効成分(還元剤)として正しいものはどれか。 ① グルタミン酸 →× グルタミン酸は旨味成分にもなるアミノ酸の一種であり、アミノ酸自体は広い意味における有機酸には該当しますが、還元剤…

美容師国家試験解説75

第37回美容師国家試験より引用。 紫外線とサンケア製品に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 長波長紫外線は、メラニン色素を徐々に増加させる。 →〇 長波長紫外線とはUVAのことであり、そのUVAに起因する日焼けがこのメラニン増加による肌の…

美容師国家試験解説74

第37回美容師国家試験より引用。 香粧品に使われる成分とその目的に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。 ①クロルヘキシジングルコン酸塩 ー 紫外線吸収剤 →✕ 名前が長すぎて覚えにくいですね。「クロル」は塩素系、つまり殺菌剤と認識できれば十分…

美容師国家試験解説73

第37回美容師国家試験より引用。 香粧品用の色材に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① カーボンブラックは、着色顔料である。 →◯ カーボンブラックはアイブロウペンシルなどに用いられる、文字通り黒色の顔料です。ただし、発ガン性のベンゾ…

美容師国家試験解説72

第36回美容師国家試験より引用。 芳香製品に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 香水は、メタノールに調合香料を溶解したものである。 →× メタノールは例外なく配合禁止です。これは幾度ともなく出題されているテーマですね。 ② オーデコロンは、…

美容師国家試験解説71

第36回美容師国家試験より引用。 酸化染毛剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① 酸化染毛剤は永久染毛剤に分類される。 →〇 ヘアカラーのカテゴリーは、顔料を毛髪の表面に付着させるだけの一時染毛料、分子がごく小さいため、毛髪内に浸透…

美容師国家試験解説70

第36回美容師国家試験より引用。 パーマネントウェーブの原理に関する次の文章の( )に入る語句の組み合わせのうち、正しいものはどれか。 毛髪を形成するケラチンの架橋構造(側鎖)の( A )結合を第1剤(1液)に含まれるチオグリコール酸などの( B )に…

宮﨑出講です

宮﨑キャンプ始まりました。美容師国家試験、国立大前期日程もいよいよ大詰め。今週と来週は大学受験指導に力を注ぎますので国家試験解説は来週末より再開します。

美容師国家試験解説69

第36回美容師国家試験より引用。 頭皮・毛髪用香粧品とその配合成分に関する次の記述の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ① ヘアリンス剤 ー 陽イオン界面活性剤 →〇 陽イオン(カチオン)界面活性剤といえば、ベンザルコニウム塩化物のような殺菌剤お…

美容師国家試験解説68

第36回美容師国家試験より引用。 香粧品に用いられる色材に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ① ベンガラは酸化鉄顔料である。 →〇 三酸化二鉄Fe2O3を主成分とした古くから香粧品に用いられている赤色の着色顔料です。この三酸化二鉄は鉄鉱…

美容師国家試験解説67

第36回美容師国家試験より引用 界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 石けんは陽イオン界面活性剤である。 →× 石けんの本体は高級脂肪酸のなすカルボン酸イオンであり、これが(ー)イオンであるため、陰イオン界面活性剤に相当します…

美容師国家試験解説66

第36回美容師国家試験より引用。 香粧品に含まれる有機化合物とその分離に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。 ① パラフィン ー タンパク質 →× パラフィンは炭化水素に分類され、石油中から採取されることから鉱物油に分類されます。他にも鉱物油…

美容師国家試験解説65

第35回美容師国家試験より引用。 紫外線とサンケア製品に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① UVAはUVBより波長が短い。 →✕ 紫外線は波長の短いものから順にUVC,UVB,UVAがあり、地表に届くのは中波長のUVBと長波長のUVAです。 ② UVBはメラニンを…

美容師国家試験解説64

第35回美容師国家試験より引用。 ヘアスタイリング剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① エアゾールタイプのヘアスタイリング剤に噴射剤として配合されるのは、フロンガスである。 →✕ フロンガスは地球温暖化やオゾン層の破壊を引き起こす有害…

美容師国家試験解説63

第35回美容師国家試験より引用 ヘアリンス剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① ヘアリンス剤に用いられる第四級アンモニウム塩は、帯電防止効果がある。 →◯(正解) 第四級アンモニウム塩は頻出の陽イオン界面活性剤であり、帯電防止、つまり静…

美容師国家試験解説62

第35回美容師国家試験より引用 酸化染毛剤に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① 酸化染毛剤は、シャンプーのたびに染料が流出する。 →× 酸化染毛剤は永久染毛剤に分類され、シャンプーによる染料の流出は起こりません。従って、染料を毛髪から…

美容師国家試験解説61

第35回美容師国家試験より引用 パーマ剤(パーマネント用剤)に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① パーマ剤に使用されているシステインは、酸化剤である。 →× システインの側鎖にはチオール基(-SH)があり、ここから電離する水素イオンが毛…

美容師国家試験解説60

第35回美容師国家試験より引用 界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 界面活性剤は、臨海ミセル濃度(cmc)より低い濃度の方が洗浄力が高い。 →× 界面活性剤は臨界ミセル濃度よりも高濃度になってこそ効果が生じます。例えば、無く…

美容師国家試験解説59

第35回美容師国家試験より引用 有機化合物に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① エタノールは、化粧品への配合が禁止されている。 →× エタノールは多くの化粧水の溶剤として幅広く使用されております。配合が禁止されているアルコールといえば…

美容師国家試験解説58

第34回美容師国家試験より引用 頭皮・毛髪用香粧品とその配合成分に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ① シャンプー剤 ー 高級アルコール系合成洗剤 →〇 高級アルコール系合成洗剤は硬水中でも洗浄力を維持できる陰イオン(アニオン)界面活…

美容師国家試験解説57

第34回美容師国家試験より引用。 香粧品に用いられる色材とその分類に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ① 酸化鉄 ー 着色顔料 →〇 酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラックなどは代表的な着色顔料です。 ② 雲母チタン ー 光輝性顔料 →〇 細か…

美容師国家試験解説56

第34回国家試験より引用。 毛髪とパーマネントウェーブの原理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 毛髪に多く含まれるタンパク質であるケラチンは、水に溶けやすい。 →× 毛髪中のタンパク質がケラチンであることは正しいのですが、何しろこれは…