美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

スタイリング剤

今日はスタイリング剤についてのポイントをまとめました。「ヘアリキッド」はエタノールを溶媒にスタイリング成分を配合した液体スタイリング剤です。スタイリング成分以外には香料や金属イオン封鎖剤(キレート剤)も含みます。「ジェル」と「ウォーターグリ…

シャンプー剤~身近だけによく知っておきましょう~

今日はシャンプー剤関連をまとめてみました。「シャンプー剤」はわかりきってはいますが、頭皮の汚れを除去し清潔にするために使われます。清浄にするということはもちろん陰イオン界面活性剤「高級アルコール系合成洗剤」などが使われています。また、ベビ…

ネイルエナメル用香粧品~要はマニキュア関連~

国家試験ではそう深いところまで出題されるとは思いませんが、最低限必要なところは下にまとめておきますので覚えておきましょう。「カラーエナメル」はかつての教材ではネイルエナメルと表現されていました。光沢をもち、接着性が高いことが求められます。…

ポイントメイクアップ香粧品

今日はアイメイクアップ香粧品に焦点を当ててみました。 国家試験での出題の可能性は高くないでしょうけど、最低限の知識事項は押さえましょう。女子学生にとっては使い慣れて感覚的に理解できる場合もあるでしょうか。「アイシャドー」はまぶたに塗布して顔…

おしろい類

今日はおしろい類について。 4つの基本性質 「展延性」…「タルク」により皮膚で滑らかに延びる 「付着性」…「マイカ」により皮膚によく付着する(この性質がないとぼろぼろ剥がれ落ちる) 「被覆力」…「酸化チタン」によりしみやそばかすを隠す 「吸収力」…「…

化粧水のパック~ちょっとブレイクです~

左がフェイスマスク、右がルルルン今日は市販されているフェイスマスクに含まれてる成分を見てみることにしましょう。これまでに扱った成分が入ってますね。まずは株式会社ジャパンギャルズSC様のフェイスマスク。茶カテキン配合で香りが良いです。教科書範…

パック剤~自分もたまにやります~

今日はパック剤の話です。皮膚に対して、血行促進、経皮吸収の促進、清浄作用の効果を持ち合わせていて、素材によって次のように分類されます。「ピールオフパック」はひと昔前によく使われていたもので、ジェル状のものを皮膚に塗布してから少しすると皮膜…

ネイル、まつ毛エクステンション用材料~接着剤と塗料~

昨日に引き続き、ネイルおよびまつ毛エクステンションのお話です。まずここで使われる接着剤、実は香粧品ではありません。従って、医薬品医療機器等法による規制は受けておりません。そしてネイル、まつ毛エクステンションの接着剤はすべて「グルー」と呼ば…

ネイル、まつ毛エクステンション用材料~まずは合成樹脂~

まずは合成樹脂から。 高分子化合物とはごく小さい分子がたくさん集まり結合して、大きくなった分子(一般には分子量1万以上)のことです。この場合の小さな分子を単量体(またはモノマー)、高分子化合物を重合体(またはポリマー)といいます。身近なところだと…

化粧水~分類と機能~

今日は身近な化粧水についてです。 大きく分けて4種類ありますので、その機能と配合成分を理解しておきましょう。「洗浄用化粧水」 文字通り「洗浄」を目的としているので当然ながら「界面活性剤」が配合されています。具体的には皮膚に付着している香粧品…

高分子化合物~天然と合成、それらの使い道~

単元的には少し戻りますが、しばらくは配合成分を。高分子化合物というのは分子量が大きく、10000を超える化合物ですが、平たく言え大きな分子です。何かしらの生物に由来するものを天然高分子化合物、これに少し加工をした半合成高分子化合物、完全なる人工…

各種配合成分~防腐・殺菌剤と酸化防止剤~

国家試験でちょいちょい出る内容です。物質の名前と役割をしっかりリンクできていないと失点しますので気をつけて。「防腐・殺菌剤」 使用途中でカビの発生や増殖されたらたまったものではありませんね。この自体を回避するために必要なのがこれです。防腐剤…

各種配合成分~保湿剤と紫外線吸収剤、そして収れん剤~

引き続き配合成分各論を。「保湿剤」 皮膚や毛髪の乾燥を回避するために不可欠ですね。 アルコールの一種「グリセリン」と「プロピレングリコール」、天然物質の「ヒアルロン酸」や「セラミド」は覚えておきましょう。「紫外線吸収剤」 痛みを伴う日焼け、「…

石けん~4種の特徴を理解する~

前回は石けんの概論を紹介しましたので今回はその各論についてです。「化粧石けん」は最もオーソドックスな石けんです。皮膚に対して刺激の少ない牛脂やヤシ油、パーム油などが原料に用いられます。これにラノリン、オリーブ油などを配合し、使用感をよくし…

石けん概論~陰イオン界面活性剤の代表例~

石けんについてのお話をします。石けんは油脂を「アルカリで加水分解(これをけん化と言います)」した際に、保湿でお馴染みグリセリンとともに生じる脂肪酸のアルカリ塩です。平たく言えば、油脂を分解して得られるということです。このときに使うアルカリが…

界面活性剤~種類と特徴~

界面活性剤は4つの種類に分けられます。 それぞれどんな風に使われるのかを見て行きましょう。「陰イオン界面活性剤」 これが一番典型的なものです。一言で言えば「洗う」ために用いられます。「石けん」や「アルキル硫酸ナトリウム」がこれに当たり、洗剤…

界面活性剤~まずはその概論~

これから少しの間は界面活性剤についてです。 界面活性剤は以前より国家試験でもよく扱われていますね。今回はまず界面活性剤全体のお話をしていきます。界面活性剤の働きのひとつに洗浄力がありますね。残りわずかになった洗剤で何とかしようと試みるとほと…

水性原料~言うて水とエタノールだけ~

今日は水とエタノールについてのポイントをまとめてみました。物質を溶かす側の液体を溶媒といいますが、水は無機(化学式H2O…炭素Cが含まれないので無機)溶媒、エタノールは有機(化学式C2H6O…炭素Cが含まれるので有機)溶媒にあたります。不純物を除去した水…

油性原料~炭化水素など~

油性原料最後のお話です。石油から採取されるものをまとめて「鉱物油」と言います。特に覚えておきたいのは「流動パラフィン」や「ワセリン」です。これらはクレンジングクリームなどの原料として美容の化学にて長いこと扱われてるところです。また、口紅や…

油性原料~ロウ類~

前回は油脂についてお話しました。 今回はロウ類についてです。語尾に「ロウ」がつくものが多く、分かりやすいですが、「モクロウは油脂でありロウ類ではない」こと、羊毛から採取される「ラノリン」がロウ類であることには気をつけて下さい。 代表的なもの…

油性原料~要するに油脂~

今日は油脂のお話を。 油脂というのは「脂肪酸」と「グリセリン」がエスエル結合した化合物で、常温下で固体のものを脂肪、液体のものを脂肪油と言います。また、脂肪油の中でも空気中で固化するものを「乾性油」と言いますが、こちらは香粧品で用いられるこ…

有機合成色素と光輝性顔料について

今日は上の2つについて。有機合成色素はタール色素や法定色素とも呼ばれ、香粧品には赤色102号や青色1号などの使用が「医薬品医療機器等法(←かつての薬事法)」により認められています。 美容師国家試験に備えて押さえておくべきことは、タール色素には水や…

着色顔料について

美容の化学では無機顔料の代表格とも言える着色顔料は、その名の通り「色を着ける」ためのものです。耐光性や耐熱性に優れているので使い勝手が良いのです。まずは「酸化鉄」ですが、赤色のベンガラや、黒色の黒酸化鉄などがおしろい類やファンデーション類…