美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説54

第34回美容師国家試験より引用。

高分子化合物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①デンプンとセルロースは、合成高分子化合物である。
→×(正解) デンプンもセルロースも植物体内や植物細胞に含まれています。動物や植物など、いわゆる生物に由来する成分はすべて「天然」成分になります。「合成」成分は人為的に作られなければこの世に存在し得ない成分と言っても良いでしょう。

②ケラチンは、他のタンパク質に比べてシスチンを多く含む。
→○ システイン2分子間のチオール基が脱水素反応(難しい言い方ですみません)して結合したものがシスチンで、ケラチンにはこれが多く含まれています。実戦的には、「ケラチンといえばシスチン多い」くらいの認識で十分です。

③ポリビニルピロリドンは、皮膜形成剤としてスタイリング剤に配合される。
→○皮膜形成剤として、ポリビニルピロリドン(スタイリング剤)、ポリビニルアルコール(パック剤)、ニトロセルロース(カラーエナメル)は覚えておきたいところです。

④コラーゲンは、皮膚の水分を保持するモイスチャー効果をもつ。
→○最近の指導要領ではエモリエント効果とモイスチャー効果をそれほど細かく使い分けていない節がありますが、コラーゲンは皮膚の中で水分子を確保すること(これがモイスチャー効果です)で保湿を実現している天然保湿因子の1つです。

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