美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説72

第36回美容師国家試験より引用。

 

芳香製品に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

① 香水は、メタノールに調合香料を溶解したものである。

 →× メタノールは例外なく配合禁止です。これは幾度ともなく出題されているテーマですね。

 

② オーデコロンは、パヒュームコロンよりも香料の配合量が少ない。

 →〇(正解) オーデコロンは主に柑橘系の香料を含むものが多く、ただしその配合量はごく少ないため、2時間ほどで香りはほぼなくなります。一方でパヒュームコロンは香水に次ぐ香り成分配合量を維持しています。

 

③ 香料の発散により、3段階に分けられる香水の香りのうち、2時間以上残るものを「うわだち」という。

 →× 「うわだち」は「トップノート」とも呼ばれ、デオドラント剤を着用した、ごく初めの香りです。本問で述べている2時間以上残るものは「あとのこり」または「ベースノート」と呼ばれます。こうした概念は、デオドラント剤に用いる香料は揮発性の異なる複数の香り成分をブレンドしていることで、時間の経過につれてこれらの混合比率が変化することから生じています。

 

④ 香水には合成香料は使用されない。

 →× 動物や植物に由来する天然香料だけではなく、人工的に合成された合成香料(エステルなど)も多々用いられています。