美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説42

第31回美容師国家試験本試験より引用。

頭皮・毛髪に使用する香粧品に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①エアゾールタイプのスタイリング剤には、噴射剤として可燃性の液化石油ガスジメチルエーテルが用いられる。
→○ エアゾールタイプ、つまりスプレー剤にはガスとして噴き出す成分が必要であり、それが噴射剤です。この問題にある通り、噴射剤の代表例としてはこの液化石油ガスLPGとジメチルエーテルDMEの2種を覚えておきましょう。

②皮膜形成剤を配合したスタイリング剤には、合成粘液質のポリビニルピロリドン(PVP)が用いられる。
→○ スタイリング剤を用いると毛髪表面がパリッとしますね。あれが皮膜です。スタイリング剤の皮膜形成剤としてはこの問題にあるポリビニルピロリドンと、他にはアクリル樹脂アルカノールアミンを押さえておくといいでしょう。

③ヘアリンス剤に用いられる陽イオン界面活性剤の第四級アンモニウム塩は、毛髪の帯電防止効果がある。
→○ 陽イオン(カチオン)界面活性剤は、帯電防止効果(静電気防止)や殺菌効果を示し、特に前者の性質が強い第四級アンモニウム塩はリンス剤によく用いられています。

④ムース状のスタイリング剤は、陰イオン界面活性剤の高級アルコール合成洗剤が主成分である。
→×(正解) 問題を解くだけであれば、「スタイリング剤で洗髪することはないのだから陰イオン(アニオン)界面活性剤なんて出る幕無いじゃん」で済む話ですが、高分子合成シリコーンが主成分であることは是非とも覚えておきましょう。

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