美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説77

第37回美容師国家試験より引用。

 

酸化染毛剤の成分とその性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

過酸化水素水は染料中間体を酸化する。

→〇 第1剤に含まれる無色の染料中間体(これこそがあのパラフェニレンジアミン)を酸化して発色するために用いられる第2剤の主成分がこの過酸化水素水です。

 

② ニトロパラフェニレンジアミンは本来無色である。

→×(正解)ややこしいところですよね。パラフェニレンジアミンは「染料中間体で、はじめ無色、酸化されて発色」ですが、ニトロパラフェニレンジアミンは「直接染料で、はじめから有色」です。

 

③ レゾルシンは染料中間体による発色の色調を変える。

→〇 レゾルシンは代表的な調色剤(カップラー)です。本問にあるように、色調調節に使用します。

 

アンモニア水は液性をアルカリ性にする。

→〇 アンモニアは香粧品によく用いられるアルカリ剤です。毛髪内のイオン結合を切断し、毛髪を膨潤させます。高校化学(大学受験含む)ではアンモニアといえば弱アルカリの代表のような存在ですが、香粧品化学の範囲内ではアンモニアは強アルカリの扱いになります。