美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説47

第32回美容師国家試験より引用

 

染毛剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

①酸化染毛剤は、1回のシャンプーで除去される。

→×(正解) 酸化染毛剤は「永久染毛剤」ともよばれ、理論上シャンプーで色落ちすることはありません。また、この染毛剤を用いた染毛後に別な色に染め直したい場合などは過硫酸塩を含み、やや作用の強い「脱染剤」を用いて現状毛髪を着色している染料を分解する必要があります。

 

②染料中間体をカップラーとともに用いると、さまざまな色調に染毛できる。

→〇 染料中間体とは、酸化されてから発色する酸化染料のことであり、教科書的にはパッチテストの対象成分としてもおなじみの「アラフェニレンジアミン」がその代表例です。問題文にある通り、ここにレゾルシンなどの調色剤(これをカップラーとよびます)とともに用いると、色調に変化を与えることができます。

 

③ヘアブリーチ剤は、毛髪に含まれるメラニンを酸化して分解する。

→〇 ヘアブリーチ剤は「脱色剤」ともよばれ、毛髪の黒色のもとになっているメラニン色素を分解します。5%程度に希釈された過酸化水素水が一般的です。

 

④一時着色料は、法的色素などを毛髪の表面に付着させて着色させる。

→〇 一時着色料の特徴は、問題文にある通り、「染料が毛髪表面に付着している」だけなので、シャンプー一発で洗い落とせます。そのため、「今日だけちょっと毛髪に色をつけてみたい」などのケースで有効です。それに対して酸性染料は比較的分子の細かい色素を毛髪に浸透させるため、色落ちさせるためにはシャンプーを数回行う必要があります。