第37回美容師国家試験より引用。
酸と塩基に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 赤色リトマス紙は塩基性溶液では変色しない。
→× 塩基(アルカリ)性溶液は赤色リトマス紙を青色に変色させることができます。なお、酸性溶液は青色リトマス紙を赤色に変色させることができます。
② 塩基性溶液のpHは7より小さい。
→× pHは0~14の範囲で用いられる値で、常温では「pH=7で中性」、これを下回り0に近づくほど強酸性、7を上回り、14に近づくほど強アルカリ性となります。
③ 酢酸は強酸である。
→× 悩ましい問題です。「強い」「弱い」というのは主観的なものであることから、こうした出題をする場合は比較対象が本来は必要です。酢酸は高校の化学基礎の範囲で考えれば代表的な弱酸ですが、これが有機化学の領域になると、二酸化炭素やフェノールよりも明らかに強酸です。したがって、厳密にはグレーゾーンですので、この選択肢の判断は他の選択肢との兼ね合いで判断することとして、④次第ということになるかと思われます。
④ 塩酸は無機酸である。
→〇(正解) 塩酸は塩化水素の水溶液です。塩化水素の化学式は、水素と塩素からなることからHClと表記されますが、このことからわかるように炭素原子が含まれておりませんので、無機酸の扱いになります。このことから④があきらかに正しいので、③は「一概には強酸とはいえない」として不正解とします。