美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説76

第37回美容師国家試験より引用。

 

次の有機酸のうち、パーマ剤第1剤の有効成分(還元剤)として正しいものはどれか。

グルタミン酸

→× グルタミン酸は旨味成分にもなるアミノ酸の一種であり、アミノ酸自体は広い意味における有機酸には該当しますが、還元剤としては作用しません。

 

② 酢酸

→× 質量比にして4%程度に薄めた酢酸は「食酢」として使用されておりますが、これもまた還元剤としては作用しません。

 

③ パルミチン酸

→× 炭素原子間に二重結合をもたない高級飽和脂肪酸です。油脂の加水分解で得られる場合もありますが、還元剤としては作用しません。なお、「高級」というのは「炭素原子を多く含む」という意味合いであり、決して値段的に高いというようなことではありません。

 

④ チオグリコール酸

→〇(正解) パーマ剤の第1剤といえば、毛髪中のイオン結合を切断して膨潤させるためのアルカリ剤と、毛髪中のシスチン結合を切断する還元剤ですが、この還元剤にはチオグリコール酸またはシステインが使用されます。効果は大きいけれども、刺激が強いので合わないヒトもいるチオグリコール酸と、効果は劣るけれども、刺激がほとんどないアミノ酸の一種であるシステインというようにそれぞれの特徴があります。