美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

界面活性剤~まずはその概論~

これから少しの間は界面活性剤についてです。
界面活性剤は以前より国家試験でもよく扱われていますね。今回はまず界面活性剤全体のお話をしていきます。

界面活性剤の働きのひとつに洗浄力がありますね。残りわずかになった洗剤で何とかしようと試みるとほとんど泡立たないことがあります。実はこれ、全く洗浄力が生じていないのです。要するに無駄です。洗浄力を示すにはある一定の濃度に到達必要があり、それが「臨海ミセル濃度」です。

臨海ミセル濃度に達した界面活性剤は次のような作用を示すようになります。
「乳化」→水と油のように混じり合わない液体どうしを均一に分散(水と油の分離が解消された感じに)。このような混合液を「エマルジョン」とよびます。
「可溶化」→水に溶けにくい物質が溶けるように。溶けにくい物質の表面を界面活性剤が取り囲む(この状態こそがミセル)ことで可溶化します。
「分散」→粉体を均一に分散させてこれを安定させる。ファンデーションにはこの性質が使われています。

まずはこの3つの作用をしっかり押さえましょう。

#美容師 #国家試験 #香粧品 #化学 #界面活性剤 #エマルジョン #臨海ミセル濃度 #ミセル #ファンデーション