美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説60

第35回美容師国家試験より引用

 

界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

① 界面活性剤は、臨海ミセル濃度(cmc)より低い濃度の方が洗浄力が高い。

→× 界面活性剤は臨界ミセル濃度よりも高濃度になってこそ効果が生じます。例えば、無くなりかけたわずかなシャンプーで洗髪しようとしてもなかなか泡立ちません。これは臨界ミセル濃度に達していないため、洗浄力も含めて、何ら効果が出ていないことを示しています。

 

② 界面活性剤が水に溶けない物質を透明に溶解させるはたらきを乳化という。

→× 水に溶けない物質が界面活性剤によって溶けるようになることを可溶化とよび、その際に白濁した溶液が生じることを乳化とよびます。

 

③ 石けんは、陰イオン界面活性剤である。

→〇(正解) 洗浄作用をもつ界面活性剤は原則として陰イオン界面活性剤に該当します。

 

④ 陰イオン界面活性剤のイオン化した部分は、親油性が高い。

→× イオン性の部分は親水性のため、油分にはなじみにくい性質をもちます。