美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説28

第30回国家試験より引用。

香粧品に用いられる色材に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

酸化亜鉛や酸化チタンは、体質顔料である。
→× 酸化亜鉛と酸化チタンは確かにセットで覚えるべきですが、これらは体質顔料ではなく、代表的な白色顔料です。白色顔料としての効果は被覆力、隠蔽力ですが、その効果においては酸化亜鉛に比べて酸化チタンの方がはるかに大きいです。一方で、酸化亜鉛は何と言っても亜鉛系化合物のため、収れん作用や消炎作用も持ち合わせてます。

カオリンやマイカは、光輝性顔料である。
→× 光輝性顔料としては、雲母チタンを覚えておけば十分です。一方、カオリンやマイカは、タルクも合わせて代表的な体質顔料です。特にカオリンは水や油分をよく吸収するので、多種に渡る香粧品に使われています。

③ 酸化クロムやグンジョウは、着色顔料である。
→○正解 口紅やアイメイクアップにもよく使われる着色顔料はすべて無機顔料の中の着色顔料に分類されます。酸化クロムは緑、グンジョウは青、さらには酸化鉄の1つであるベンガラは赤、このあたりはしっかり押さえておくと良いです。

④ βーカロチンは、タール色素である。
→× βーカロチンはニンジン由来の橙色、コチニールはエンジ虫由来の青赤色を示す、いずれも天然色素です。天然色素は無機顔料に比べると劣化しやすいというデメリットがあります。なお、タール色素は薬機法により使用が認められた有機合成色素です。

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