美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説46

第32回美容師国家試験より引用。

パーマネントウェーブ用剤第1剤(1液)に含まれる還元剤は次のうちどれか。

①シスチン
→× パーマ剤の第1剤でもあり、アミノ酸でもあるシステイン同士が2分子間でシスチン結合(大学入試の生物では「SーS結合」、化学では「ジスルフィド結合」とも呼びます)でつながったものがこのシスチンですが、これは還元性を示すチオール基(ーSH)をもたないため、第1剤としては使用できません。

②チオグリコール酸
→○(正解) システインと並んで代表的な還元剤であり、パーマ剤の第1剤として有効ですが、作用が強いため、ヒトによっては合わない場合もあります。

臭素酸ナトリウム
→× ④の過酸化水素と並んで代表的な酸化剤であり、パーマ剤の第2剤として毛髪内で切断されたシスチン結合を再形成していきます。

過酸化水素
→× 高校の化学では過酸化水素は酸化剤としても還元剤としても働くとされており、それ自体はごく正しいのですが、どちらかと言えば酸化剤として働くケースの方が通常です。その酸化作用によりシスチン結合を再形成しますが、メラニン色素を分解してしまうので、毛髪の脱色を伴うことも知っておきましょう。

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