第34回国家試験より引用。
毛髪とパーマネントウェーブの原理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 毛髪に多く含まれるタンパク質であるケラチンは、水に溶けやすい。
→× 毛髪中のタンパク質がケラチンであることは正しいのですが、何しろこれは水に対して不溶です。水に可溶であれば濡れるたびに髪の毛無くなってしまいます。なお、アルブミンのような血液中のタンパク質などは一般に水溶性です。
② ケラチンは、構成元素として塩素を多く含む。
→× タンパク質の構成元素は(炭素C・水素H・酸素O・窒素N・硫黄S)です。従って塩素Clは含みません。なお、我々の体内にあるDNAの構成元素は(C・H・O・N・リンP)です。
③ パーマネントウェーブ用剤第1剤(1液)の主成分の働きは酸化である。
→× パーマ剤の第一剤に用いられるチオグリコール酸やシステインは毛髪中のシスチン結合(-S-S-)結合を(-SH + HS-)に切断します。水素Hが加わる反応ですのでこれは酸化ではなく還元に相当します。
④ 水素の化合物が水素を失う反応を酸化という。
→〇(正解) ③でも触れましたが水素が加わる反応を還元と呼びます。従って、水素原子を失う反応は還元の逆、つまり酸化に相当します。