美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説84

第38回美容師国家試験より引用

 

ヘアカラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

① 脱色剤は、毛髪に含まれるメラニンを酸化して分解する。

→◯ ブリーチ剤とも呼ばれるこの脱色剤は、5%程度に薄められた過酸化水素のもつ酸化作用により、毛髪を黒くするメラニンが分解されます。

 

② 酸化染毛剤により染毛しても、1回のシャンプーで色落ちする。

→×(正解)酸化染毛剤は、化学反応を伴うことからHC染毛料などよりも染毛効果が大きく、医薬部外品に指定されております。一度染毛を行うと、シャンプーでは色落ちしません。なお、ここに含まれるパラフェニレンジアミンはアレルゲンになることもあるため、パッチテストの対象になっています。

 

③ 染料中間体をカップラーとともに用いると、様々な色調に染毛できる。

→◯ パラフェニレンジアミンなど染料中間体は、酸化されて初めて発色し、ここにレゾルシンなどのカップラーを加えることで、色調に変化を与えます。

 

④ 一時染毛料は、法定色素などを毛髪の表面に付着させて着色する。

→◯ 一時染毛料は、HC染毛料のように色剤を毛髪内に浸透させることもなく、表面に付着させるだけであるため、1回のシャンプーて色落ちします。