第33回美容師国家試験より引用。
アルコールに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①メタノールは、化粧水の原料に用いられる。
→×(正解) これは今も昔もよく出題される内容ですが、メタノールは毒性が大変強く、一切の例外無しで香粧品の水性原料に用いることはできません。
②エタノールは、皮膚を引き締める収れん作用がある。
→○ エタノールは収れん剤としてだけではなく、水性原料、消毒剤などとしても使える汎用性の(はんようせい)高い物質です。収れん剤としては、他にクエン酸や亜鉛系、アルミニウム系の物質が該当します。
③プロピレングリコールやグリセリンは、保湿剤として利用される。
→○ 語尾が「オール」の発音になるものはアルコールであり、メタノールやエタノール、プロピレングリコール、セタノールが該当しますが、実はグリセリンもアルコールの1つです。メタノールは使用禁止、エタノールは幅広く使える水性原料、プロピレングリコールとグリセリンは保湿剤、セタノールはロウの原料です。
④油脂は、グリセリンと脂肪酸のエステルからなる。
→○ グリセリンと脂肪酸がエステル結合によってつなげられたものを油脂、高級アルコール(セタノールなど)と高級脂肪酸がエステル結合によってつなげられたものをロウと呼びます。ロウの中で要注意なのは「ホホバ油」と「ラノリン」です。前者は植物性ロウであり、後者は動物性ロウです。「ロウ」の文字が入っていないので見落としがちですが、これらもロウ類になります。