第38回美容師国家試験より引用。
酸化剤と還元剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 過酸化水素水は、ヘアブリーチ剤や染毛剤などに酸化剤として用いられている。
b チオグリコール酸は、パーマ剤の第1剤に配合され、毛髪のケラチンのシスチン結合を還元して切断する。
c システインは、パーマ剤の第2剤に配合され、毛髪の切断されたシスチン結合を再結合する。
d 次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、還元作用があるので、金属製品や動物性繊維の布地の消毒に適している。
① aとb→○(正解) 大学入試では過酸化水素と言えば、酸化剤にも還元剤にもなる曲者ですが、香粧品においては、過酸化水素は酸化剤一択で、メラニン色素を分解し、脱色や染毛を行ったり、切断されたシスチン結合を再度結びつけるパーマ剤の2剤となったりします。また、パーマ剤の1剤として有髪のシスチン結合を切断するのがチオグリコール酸です。そのため、a,bとも正しいということになります。
② bとc→✕ ①の説明よりbは正文です。システインはアミノ酸の一種ということもあり、良くも悪くも作用がそれほど強くない還元剤であり、パーマ剤の1剤として毛髪内のシスチン結合を切断します。そのため、cは誤文になります。
③ cとd→✕ cは誤文です。次亜塩素酸は酸としては決して強くありませんが、酸化作用が強く、金属製品の錆の原因にもなります。
④ aとd→✕ これまでの説明より、aが正文でdが誤文となります。