第39回美容師国家試験より引用。
化学結合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① ヘアマニキュア中の酸性染料は、イオン結合を利用して毛髪内に留まっている。
→⚪︎ 酸性染料は、酸化染毛剤のように化学反応を伴わないことから化粧品に分類され、毛髪内に染料が入り込み、イオン結合を形成し、毛髪内に留まります。
② 毛髪の構造中にみられるシスチン結合(ーSーSー)は、共有結合である。
→⚪︎ シスチン結合は2つの硫黄(S)原子間で不対電子を共有しあって安定しているため、共有結合の一種といえます。
③ 頭髪の寝癖は、水素結合の切断と再結合によって生じるものである。
→⚪︎寝癖は毛髪内で形成されている化学結合の中で最も弱い水素結合の一時的な切断と再形成によって生じます。水に濡らすことで改めて切断できるので、一般に寝癖は水でなおせます。
④ 化学結合の強さを比較すると、水素結合>共有結合>イオン結合の順である。
→×(正解)水素結合はごく弱い化学結合であり、共有結合は強い化学結合ですので、「共有結合>イオン結合>水素結合」が正しい順序です。