美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説24

第29回より引用

硬水と軟水に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 硬水中では、石けんがよく泡立ち、効果的な洗浄作用を発揮する。
→× 硬水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンが石けん分子と結合することで、石けん分子が油分子を十分に囲む(この状態をミセルとよび、ミセルが形成されて初めて界面活性剤が効果を示します)ことができず、洗浄効果が激減します。

② 軟水とは、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを多量に含む硬度の高い水をいう。
→× これこそが硬水の定義です。カルシウムイオンやマグネシウムイオンの濃度が低い水を軟水と呼びます。

③ 一時硬水は煮沸すると軟化する。
→◯ 主に炭酸水素塩などは煮沸(加熱)により分解し、難溶性の炭酸塩を形成します。カルシウムイオンやマグネシウムイオンが沈殿することで、その上澄み部分は軟水と同じ状態になります。

④ 永久硬水は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンが炭酸水素塩として含まれる水をいう。
→× 炭酸水素塩であれば煮沸で軟水にできるので一時硬水です。永久硬水は硫酸塩などを形成しています。硫酸塩は加熱によっても沈殿させることができない、つまり軟水に変えることができません。