美容学校講師のブログ講義(香粧品化学)

美容師を目指す向けて努力している学生のために、少しでもお役に立てればと、香粧品化学やアンチエイジングに関するお話をしていきます。

美容師国家試験解説66

第36回美容師国家試験より引用。 香粧品に含まれる有機化合物とその分離に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。 ① パラフィン ー タンパク質 →× パラフィンは炭化水素に分類され、石油中から採取されることから鉱物油に分類されます。他にも鉱物油…

美容師国家試験解説65

第35回美容師国家試験より引用。 紫外線とサンケア製品に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① UVAはUVBより波長が短い。 →✕ 紫外線は波長の短いものから順にUVC,UVB,UVAがあり、地表に届くのは中波長のUVBと長波長のUVAです。 ② UVBはメラニンを…

美容師国家試験解説64

第35回美容師国家試験より引用。 ヘアスタイリング剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① エアゾールタイプのヘアスタイリング剤に噴射剤として配合されるのは、フロンガスである。 →✕ フロンガスは地球温暖化やオゾン層の破壊を引き起こす有害…

美容師国家試験解説63

第35回美容師国家試験より引用 ヘアリンス剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① ヘアリンス剤に用いられる第四級アンモニウム塩は、帯電防止効果がある。 →◯(正解) 第四級アンモニウム塩は頻出の陽イオン界面活性剤であり、帯電防止、つまり静…

美容師国家試験解説62

第35回美容師国家試験より引用 酸化染毛剤に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① 酸化染毛剤は、シャンプーのたびに染料が流出する。 →× 酸化染毛剤は永久染毛剤に分類され、シャンプーによる染料の流出は起こりません。従って、染料を毛髪から…

美容師国家試験解説61

第35回美容師国家試験より引用 パーマ剤(パーマネント用剤)に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① パーマ剤に使用されているシステインは、酸化剤である。 →× システインの側鎖にはチオール基(-SH)があり、ここから電離する水素イオンが毛…

美容師国家試験解説60

第35回美容師国家試験より引用 界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 界面活性剤は、臨海ミセル濃度(cmc)より低い濃度の方が洗浄力が高い。 →× 界面活性剤は臨界ミセル濃度よりも高濃度になってこそ効果が生じます。例えば、無く…

美容師国家試験解説59

第35回美容師国家試験より引用 有機化合物に関するつぎの記述のうち、正しいものはどれか。 ① エタノールは、化粧品への配合が禁止されている。 →× エタノールは多くの化粧水の溶剤として幅広く使用されております。配合が禁止されているアルコールといえば…

美容師国家試験解説58

第34回美容師国家試験より引用 頭皮・毛髪用香粧品とその配合成分に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ① シャンプー剤 ー 高級アルコール系合成洗剤 →〇 高級アルコール系合成洗剤は硬水中でも洗浄力を維持できる陰イオン(アニオン)界面活…

美容師国家試験解説57

第34回美容師国家試験より引用。 香粧品に用いられる色材とその分類に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ① 酸化鉄 ー 着色顔料 →〇 酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラックなどは代表的な着色顔料です。 ② 雲母チタン ー 光輝性顔料 →〇 細か…

美容師国家試験解説56

第34回国家試験より引用。 毛髪とパーマネントウェーブの原理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ① 毛髪に多く含まれるタンパク質であるケラチンは、水に溶けやすい。 →× 毛髪中のタンパク質がケラチンであることは正しいのですが、何しろこれは…

ブログ講義再開します!

いよいよ共通テスト当日を迎え、今後は仕事の合間の時間が増えますので、また国家試験解説を再開していきます。香粧品化学の苦手な美容学生のお役に立てますように。 なお、アンチエイジングの根幹はやはり保湿であると考えております。乾燥しやすいこの時期…

美容師国家試験解説55

第34回美容師国家試験より引用。 染毛剤や染毛料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ①一時着色料は、染料が髪の表層部に浸透し、シャンプーのたびに少しずつ除去される。 →× これは酸性染毛料の特徴です。一時着色料は顔料が毛髪の表面に付着する…

美容師国家試験解説54

第34回美容師国家試験より引用。高分子化合物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①デンプンとセルロースは、合成高分子化合物である。 →×(正解) デンプンもセルロースも植物体内や植物細胞に含まれています。動物や植物など、いわゆる生物に…

美容師国家試験解説53

第34回美容師国家試験より引用。アルコールに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。①メタノールは、溶媒として化粧水やヘアトニックに用いられる。 →×(正解) 一切の例外なく、メタノールは毒性が強いことから香粧品に用いられることはありません。…

美容師国家試験解説52

第34回美容師国家試験より引用。界面活性剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①シャンプーに用いられるアルキル硫酸ナトリウムは、陰イオン界面活性剤である。 →○ アルキル硫酸ナトリウムは主に合成石けんに用いられ、陰イオン界面活性剤と…

美容師国家試験解説51

第33回美容師国家試験より引用。パーマネントウェーブの原理に関する次の文章の( )内に入る語句の組合せのうち、正しいものはどれか。毛髪を形成するケラチンの架橋構造の( A )結合を第1剤(1液)に含まれるチオグリコール酸などの( B )により切断し、次にカ…

美容師国家試験解説50

第33回美容師国家試験より引用。 頭皮および毛髪用香粧品とその配合成分に関する次の組合せのうち、誤っているものはどれか。 ①ヘアリンス剤 ー 陽イオン海面活性剤 →◯ ヘアリンス剤は主に静電気防止を目的としていることから、陽イオン界面活性剤の効能と一…

2022年美容師国家試験直前対策

美容師国家試験前日になりました。 試験前にちょろっと見ておいたらいいかもという点を香粧品分野だけで、最小限ではありますが挙げておきます。せめてこれだけは押さえておきましょう。保湿剤=ヒアルロン酸、グリセリン 防腐剤=パラオキシ安息香酸(パラベ…

美容師国家試験解説49

第33回美容師国家試験より引用。界面活性剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ①非イオン界面活性剤は、逆性石けんともいわれ、第四級アンモニウム塩も含まれる。 →× 第四級アンモニウム塩と言えば代表的な陽イオン界面活性剤であり、帯電防止効…

美容師国家試験解説48

第33回美容師国家試験より引用。アルコールに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①メタノールは、化粧水の原料に用いられる。 →×(正解) これは今も昔もよく出題される内容ですが、メタノールは毒性が大変強く、一切の例外無しで香粧品の水性原…

美容師国家試験解説47

第32回美容師国家試験より引用 染毛剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①酸化染毛剤は、1回のシャンプーで除去される。 →×(正解) 酸化染毛剤は「永久染毛剤」ともよばれ、理論上シャンプーで色落ちすることはありません。また、この染毛…

美容師国家試験解説46

第32回美容師国家試験より引用。パーマネントウェーブ用剤第1剤(1液)に含まれる還元剤は次のうちどれか。①シスチン →× パーマ剤の第1剤でもあり、アミノ酸でもあるシステイン同士が2分子間でシスチン結合(大学入試の生物では「SーS結合」、化学では「ジ…

美容師国家試験解説45

第32回美容師国家試験より引用石けんに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。① 石けんは、界面活性剤の一種である。 →○(正解) 石けんのように油汚れに対して洗浄効果を示す物質は「陰イオン(アニオン)界面活性剤」に分類されます。ただし、臨界ミセル…

美容師国家試験解説44

第32回美容師国家試験より引用 香粧品に配合される成分とその主な配合目的に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。 ➀ベンサルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム)ー紫外線吸収剤 →× 香粧品の科目で扱われる塩化物は基本的に「殺菌剤」です。塩化…

美容師国家試験解説43

第31回美容師国家試験本試験より引用。 酸化染毛剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ➀ 酸化染毛剤は、先着の仕組みの違いによる分類では永久染毛剤に属する。 →〇 酸化染毛剤は、シャンプーでは色落ちせず、染色を解消するためには脱染剤を…

美容師国家試験解説42

第31回美容師国家試験本試験より引用。頭皮・毛髪に使用する香粧品に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①エアゾールタイプのスタイリング剤には、噴射剤として可燃性の液化石油ガスやジメチルエーテルが用いられる。 →○ エアゾールタイプ、つ…

美容師国家試験解説41

第31回美容師国家試験本試験より引用。 香粧品に用いられる配合成分とその配合目的に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ①パラオキシ安息香酸エステルは、防腐剤である。 →〇 別名パラベンでもあるこのパラオキシ安息香酸エステルは防腐剤の代…

美容師国家試験解説40

第31回美容師国家試験本試験より引用。 香粧品に用いられる色材に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ➀ タルクは、滑石を原料として作られる体質顔料である。 ⇒○ タルク・カオリン・マイカは代表的な体質顔料です。パウダーに使用されることの…

美容師国家試験解説39

第31回美容師国家試験再試験より引用。パーマネントウェーブ用剤に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a ケラチンのシスチン結合は、酸化剤を作用させると切断できる。b 一浴式パーマネントウェーブ用剤には、二浴式パーマネントウェー…